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「涼」を得る工夫

2023年7月19日

7月も中旬を超え、多くのお子様が夏休みに入られたのではないでしょうか?
そして梅雨の終わりも見え始め、暑い日が多くなってきましたね。
地球温暖化による影響もあるのでしょうが、日本の夏はますます過酷になって来ております。
日本で観測された最高気温は、2013年8月12日の高知県の四万十市での41度だそうです。
続いては、2007年8月16日の埼玉県熊谷市と岐阜県多治見市で観測された40.9度となっています。
夏ともなれば最高気温が35度を超える日も珍しくないです。
日本は湿度も高いことから、熱中症で搬送される患者数も年々増えています。
熱中症…というと屋外でかかるイメージがあります。
しかしこの5年間の統計は、
東京23区内で熱中症が原因となり死亡した人の9割が屋内だったという報道もあります。

住まいにはそもそも環境の過酷さから、人間を守る役割も備えています。
しかし、今では家の中でさえ、気を付けなければ暑さによる危険から逃げることはできないようです。
実は世界には、最高気温が40度を超すのも珍しくない「暑い国」が多くあります。
今回は、世界にある「暑い国」の住まいのいくつかを紹介しながら、その工夫をお伝えします。

◆住まいの風通しの工夫

2016年5月、インド北西部の都市であるラージャスターン州のファローディで、
過去最高の51度を記録したとニュースになりました。
インドのこの地方では、毎年5月がもっとも暑くなるとのことです。
そして今年はとくに強力な熱波が到来しているといいます。
さすがにここまで暑いのは珍しいそうですが、それでも大変な暑さです。
インドの国土は広く、北端は北緯37度6分ですので日本の宮城県とほぼ同じ緯度ですが、
南端は北緯8度と赤道に近いのです。
今回の熱波は、季節風のモンスーンが北上せず、雨不足になったのが原因のようで、
乾燥しやすい気候がこの暑さを加速させたようです。
この暑さから人を守る住まいとして、インドの家屋は遮熱性能の高い石(レンガ)造りが多いです。
また、開口部は開かれていることが多く、風通しを確保するためか、閉ざされていない家屋が多いようです。

風通しに工夫のある家屋はタイにもあります。
熱帯に位置するタイでは年中を通して暑く、最高気温が30度を下回る日はめったにないです。
湿度も高く、一年中現在の日本の夏と同じような気候なのです。
1292年ごろに成立したラーンナー王朝では、高床式の住居が多く建てられています。
人々は水稲耕作で生活しており、風通しの良いベランダで食事や作業をします。
高床式にすることで、床下は風が通り湿気を逃して、涼しく過ごすことができるのです。
また、床下は物置や家畜小屋としても利用されています。

そして日本でも、沖縄の日差しは強烈です。
しかし高い山がなく風通しが良いため、気温はそれほど上がりません。
そこで、真昼は屋内で昼寝などをしながらのんびり過ごし、
涼しい朝や夕方に活動をすることで、暑さ対策をしているようです。
しかし、家の中が蒸し暑ければ、のんびりもしていられません。
そこで、開口部を広くして縁側を作るなど、風通しをよくする工夫がされています。
石垣島には柱だけで、壁をほとんど取り払ったような家屋もあり、
屋根が日差しを避けると同時に、外と同程度の風通しがあり、涼しく過ごせるようです。
また縁側は南側に作られている家屋が多く、
これにより夏場の高い日差しは縁側で食い止められるようになっています。

◆水辺の住まい

タイには高床式の住居もありますが、水上マーケットも有名です。
自動車などによる陸運が発達せず、水運が中心だった時代、
船で運んできたままに直接取引をしたのが水上マーケットの始まりです。
バンコクの中心を流れるチャオプラヤー川は、荷物を積んだ船の行きかう水路でもあり、
農業用水を供給する恵みの川でもあります。
水辺に建てられた家屋の多くは風通しを確保しながら、川の気化熱を利用し、
涼しく暮らすという工夫からもきているのです。
さらに、水辺に住んでいれば、暑さに我慢できなくなったとき、
すぐに水浴びできるという利点もあるのです。
また、タヒチやモルディブなどの南の島には、海の上に水上コテージが建てられています。
景観を楽しむためもあるが、海の気化熱で涼しく感じられる工夫のようです。

◆白い壁の住まい

白い壁の家が立ち並ぶ景色が特徴的なのは、
サントリーニ島を初めとしてエーゲ海に浮かぶギリシャの島々や、
そしてスペイン南部のアンダルシアなどがあげられます。
西洋漆喰が塗られていますが、ただ景観を美しくするだけでなく、暑さ対策の意味があります。
白は熱を反射して吸収しないため、家の中では涼しく感じられるのです。
白い壁は定期的に塗り替えが必要のようですが、近年は観光誘致のため、
白い壁に統一するよう法律で定められている島や地域もあるようです。
スペイン南部のアンダルシアは石灰岩の産地なので、白く塗った下はレンガ壁になっています。
レンガは土でできており、湿度を調節してくれるので、
多少気温が高くても、気化熱が発生しやすく、涼しさを感じるのです。

漆喰ではありませんが、南イタリアにある、「トゥルッリ」と呼ばれる住宅も、真っ白な外観です。
外壁や内壁に石灰が塗られていますが、壁自体も石灰岩でできています。
石灰岩をレンガのように切り出して積み重ねて作られているのです。
太陽光があまり入らないよう、窓も小さく作られていますが、
内壁に石灰を塗ることで、部屋の中が明るく感じられる利点もあるのです。

◆日本の家屋でできること

さて、暑い国の住まいの工夫を紹介してきましたが、日本の住まいでの工夫はなにがあるのでしょう。
日本の伝統的な家屋には、庇(ひさし)があります。
庇は真夏の高い太陽光を遮るには有効です。
ただ、庇によっては、朝の光や西日など低い位置から差し込む太陽光は防げないことがあります。
そこで、庇や軒に簾(すだれ)を吊るす工夫を日本ではしてきました。

簾は、日差しを遮ってくれるだけでなく、霧吹きで水をかければ、風が吹くたび気化熱を発生してくれます。
簾だけではなく、網を設置してヘチマやゴーヤなどを育てるグリーンカーテンをつくるのも効果的です。

さらに日本人らしいのは、風鈴です。
風鈴を吊るせば、耳からも涼を感じられます。
今年の夏も厳しくなりそうです。
家の工夫と共に、水分や塩分を上手にとり、健康に支障をきたさないように過ごしましょう。



マスターズでは、夏は涼しく、冬はあたたかいお家のご提案をしています。
快適に暮らせる住まいのお話、ぜひ一度聞きに来てください。

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